五島つばき蒸溜所 門田邦彦代表(1)大手酒類メーカーを早期退職しクラフトジンづくり
「つばきを使ったクラフトジンは、世界的に見ても、おそらく当社が初めてだと思います」
門田は開業前、「蒸留所の売店では、月50本販売」と書いた企画書を融資元の銀行に提出した。
ところが、「あんな辺鄙な場所で50本も売れるわけがない。30本に書き直すように」と、修正を求められたという。
蒸留所が立つ半泊地区は、福江島のはずれにある小さな入り江。大型観光バスが入ってこられるような道もない。
それでも、今までに2000人以上の人が蒸留所に訪れ、売店だけで月200本以上を売り上げているという。
「GOTOGINを飲まれた方が、『どうしても訪れてみたかった』と言って、全国各地から足を運んでくれています」と、門田は顔をほころばせる。
まだ手が足りず、見学ツアーは受け付けていないが、売店でジンを購入してくれたお客には、時間があれば蒸留所の案内をしているという。
素材と製法に徹底的にこだわり、馥郁とした優しい香りと凝縮感のある味わいに仕上げた。