京成電鉄(下)オリエンタルランド誕生当時は「無力だった」
「設立当時、当社が事務所を置いたのは、京成電鉄本社で、5階の片隅に机が3つ置いてあるだけでした」
オリエンタルランド(OLC)は創業期についてこう記している。
東京ディズニーリゾート(TDR)は2023年に開園40周年を迎えた。最初のテーマパーク、東京ディズニーランド(TDL)は1983年4月にオープンした。
事業の拡張は休みなく続く。2024年6月、東京ディズニーシー(TDS)の新エリア「ファンタジースプリングス」が開業する。「アナと雪の女王」や「ピーター・パン」など3つの物語をテーマとしている。
OLCのテーマパークは順風満帆で大成功を収めたように見えるが、すんなりと出来上がったわけではない。
設立秘話を紹介しておこう。OLCは1960年、京成電鉄と三井不動産、船橋ヘルスセンターを経営する朝日土地興業の3社の共同出資で設立され、千葉・浦安沖の埋め立て地にTDLをつくることになった。
血の気の多い漁民に漁業権を放棄させる交渉役として、三井不動産元会長の江戸英雄氏がスカウトしたのが、いわゆる“地上げ屋”の高橋政知氏だった。