著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

京成電鉄(下)オリエンタルランド誕生当時は「無力だった」

公開日: 更新日:

 酒豪だった彼は漁協幹部を柳橋や日本橋の料亭で連夜、接待漬けにした、と伝わる。こうして、県知事、地元政治家だけでなく、ヤクザの懐にまで食い込んだ。接待工作が功を奏し漁民は漁業権の放棄に同意したと高橋氏自身が語っているという。

 実は、ディズニーランドの日本への誘致の発案者は、京成電鉄の当時の社長の川崎千春氏だった。高橋氏は「ディズニーランドには、まったく興味がなかった」「競馬場をつくったほうがカネになる」と内心、考えていたそうだ。

 高橋氏が「東京ディズニーランドの“生みの親”」と呼ばれるようになったのは、川崎社長の後を継いでOLCの2代目社長になったからである。

 日本経済新聞の「私の履歴書」(1999年7月)で高橋氏はディズニーランドを成功させた手柄話を披歴した。これに三井不動産が激怒したと、経済界の裏の世界で話題になったりもした。

〈親会社の一つ(注・京成電鉄のこと)は無力になり、もう一つの親会社(同じく三井不動産)はやる気がないどころか、「ディズニーランドなんて前世紀の遺物だ」と足を引っ張るありさまだった〉と赤裸々に創業当時の大株主の空気を記したことが、三井不動産首脳の逆鱗に触れたわけだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  2. 2

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  3. 3

    東野幸治とハライチが春の番組改編で大ピンチ…松本人志、中居正広のスキャンダルでトバッチリ

  4. 4

    元兵庫県議の死をめぐり虚偽情報拡散…立花孝志氏は名誉毀損で立件なるか?若狭勝弁護士が見解

  5. 5

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  1. 6

    綱とり出直しの琴桜に必要な「脱・頭でっかち」…初場所の足を引っ張ったのは考えすぎる悪い癖

  2. 7

    TBS「報道特集」が検証…立花孝志氏が流したデマと恫喝の実態

  3. 8

    文春訂正で中居正広ファン分裂! 「本人は無罪」vs「悪質性が強まった」で大激論

  4. 9

    中居正広トラブルへの関与を改めて否定も…フジテレビ“当該社員”に「緊急異動」発令で社員ザワめく

  5. 10

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋