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真保紀一郎経済ジャーナリスト

フジドリームエアラインズ(下)静岡を元気にしたい…地元企業の夢が結実したが課題は多い

公開日: 更新日:

 FDAの搭乗率の損益分岐点は約70%といわれている。にもかかわらず書き入れ時のゴールデンウイークでさえ、その水準に届いていない。黒字回復への道はまだ遠い。

 大手航空会社が好調なのは、個人客に先駆けてビジネス客が戻ってきたためだ。

 ところがFDAは羽田空港も関西空港にも発着枠を持たない。そのためビジネス客ニーズはもともとなかった。そして個人客の戻りはビジネス客に比べまだ途上だ。

 さらに言えば、一般的に航空会社には羽田-新千歳などのドル箱路線があり、収益を支えている。FDAにはそれもない。FDAの最大の弱点だ。

 幸い、親会社の鈴与の業績は好調だ。しかも鈴与は同族の未上場会社のため、不採算部門を切り捨てろと迫る物言う株主もいない。その意味ではFDAがすぐに危機を迎えるわけではない。

 しかしこのままでいいはずもない。そこでFDAが今力を入れているのが定期路線ではなくチャーター便。例えば夏は、稚内と全国のローカル空港を結ぶチャーター便は人気を集める。

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