三菱自動車(下)PBRは“赤点”…ASEANの需要低迷で業績不振に
株価低迷の要因として、加藤隆雄社長はアセアンでの需要低迷と、将来に向けた投資や協業を含めた方向性が示せていないことを挙げる。そして、将来に向けた技術開発や投資案件の精査、アライアンスメンバーを主体とした協業の進化、拡大をとりまとめ、株主に理解してもらえるような将来に向けた成長の道筋を早く示したいと考えている。
そんな一つが8月に発表した日産自動車、ホンダとの戦略的パートナーシップ検討の覚書の締結だったのだが、具体的なことがなかったため、株価を大きく上げることにはならなかった。
また、今年度に定款を変更し、事業として発電、ならびに電力の供給・販売を追加した。愛知県の岡崎製作所にある駐車場に、1メガワット相当の太陽光パネルを搭載したカーポートを設置。地域の新電力会社を通じて岡崎市内に電力供給を行う計画だ。
さらに、電動車に関連する事業でも、電動車に搭載された使用済みバッテリーを活用した可動式蓄電池を日立製作所と共同開発している。ただ、こうしたカーボンニュートラルへの取り組みはなかなか株価に反映されていないようだ。
(経済ジャーナリスト・山田清志)