自民「政策活動費」廃止は“やってる感”のエセ政治改革 裏金の“入り口”「企業・団体献金」には手をつけず
実態が不透明な政策活動費は、「幹事長の軍資金」や「選挙の陣中見舞い」に使われていると言われる。党勢拡大の名の下、支援者との飲食代などに支出されているという話もある。いまだ裏金事件の実態解明に後ろ向きで、裏金政治にどっぷり漬かった自民党が、本気の政治改革などできるのか。
■「『廃止しました!』とアピールする姑息なやり方」
政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏はこう言う。
「政策活動費を廃止しても『調査費』など別の名目にすれば“使途不明金”をつくることはできる。政党や政党支部から公職の候補者(国会議員など)への寄付は禁じられているのに、『使途は党や支部が決めているので個人への寄付ではない』と強弁して、政策活動費を議員個人に支出してきたのが自民党です。その“解釈”を改めない限り、抜け道は残る。それに、政策活動費という『支出』の裏金は廃止しても、政治資金パーティーや企業・団体献金という『入り口』の裏金には手をつける気がまったくないわけです。政策活動費に論点を向けさせ、自分たちの都合のいい形で決着させて、『廃止しました!』とアピールする姑息なやり方です」