企業・団体献金「廃止」を拒む組織内議員の実態…前回参院選直前には労組関連から5.3億円

公開日: 更新日:

立憲も国民民主も「抜け穴」の恩恵享受

 とりわけ、国民民主の浜口誠政調会長の献金額は突出。トヨタ自動車系労組の2つの政治団体が、浜口氏の関連政治団体4つに分散する形で、計約2億4853万円も寄付していた。また、各労組は政治資金パーティーの対価を支払って組織内議員を支援。22年に自治労と傘下の地方組織は計690万円分を、日教組は55万円分のパー券を購入し、選挙資金を捻出した。

 なるほど、来夏に参院選を控え、国民民主が企業・団体献金の廃止に慎重姿勢なのも納得だ。数千万円に上る巨額献金は、労組系の政治団体を通じたケースが目立つ。

 献金禁止の対象から政治団体を除外した立憲の法案について玉木代表が「抜け穴がある」としきりに牽制するのは、この点を意識したものだろう。

 立憲の野田代表は「個人の意思でつくった政治団体が自発的に寄付する場合を除かざるを得ない」と歯切れが悪く、国民民主も「抜け穴」の恩恵を享受している立場は立憲と変わらない。

「国民民主は、企業・団体献金の温存を望む自民党に同調した方が政治的に得策だと考え、立憲もどうせ与野党合意には至らないとハナから諦め、コブシを振り上げているだけのようにも見える」(政界関係者)との声が聞こえる。

 かくして「30年来の宿題」は解決できず、再び年を越してしまうのか。

 ◇  ◇  ◇

 立憲民主党、維新、れいわ新選組共産党社民党は、「企業・団体献金の禁止」を衆院選の公約に掲げていた。ところが、国民の玉木代表は玉虫色。「全党一致であれば反対する理由はない」と、禁止に賛成してもいいかのようなそぶりだが……。●関連記事【もっと読む】『政治資金規正法「再改正」は企業・団体献金禁止が肝なのに…“ゆ党”国民民主が玉虫色で自民アシスト』で詳報している。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    PR会社社長ダンマリ一転、全部ブチまけ“逆襲”の可能性…note投稿は斎藤知事と事前合意済みか

  2. 2

    斎藤元彦知事の選挙収支報告書で露呈した“隠蔽工作”の跡 PR会社への支出は代表務める政治団体経由という不可解

  3. 3

    杉田水脈がハシゴ外され参院転出に“赤信号”…裏金非公認の免罪符「政倫審」弁明は現職のみ

  4. 4

    不動産投資信託「J-REIT」低迷のワケ…マンションさらに高騰、オフィスも堅調なのにナゼ?

  5. 5

    「日本電解」経営破綻が波紋…上場企業では今年初、再建の道筋いまだ見えず

  1. 6

    自民裏金議員にまた公選法違反疑惑…福島地盤元職の関係先が家宅捜索されたと地元紙スッパ抜く

  2. 7

    企業・団体献金「廃止」を拒む組織内議員の実態…前回参院選直前には労組関連から5.3億円

  3. 8

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 9

    京成電鉄がオリエンタルランド株を一部売却…背景にある英アクティビストとの熾烈な駆け引き

  5. 10

    自民党ニンマリ…参院「裏金議員27人」出席の政倫審をNHKは“9時間”生中継するのか?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言