岸田首相がまたぞろ画策する「衆院解散」のカード…最優先は総裁選再選、6月会期末に打って出るか
本命は会期末の6月解散
補選の日程に合わせて解散・総選挙を断行すれば負けが目立たない上、新区割りで行われる総選挙は野党の準備が間に合わず、相対的に自民党の勝ち目が見込めるという計算だ。
もっとも、4月10日前後に岸田首相が楽しみにしている国賓待遇の訪米が予定されているから、本命は会期末の6月解散の方だろう。国賓訪米で「外交の岸田」をアピールし、春闘の賃上げや6月に実施される所得税の定額減税を成果に解散・総選挙になだれ込むシナリオが囁かれている。
逆風でもともとの期待値が低いから、自公で過半数を維持できれば、総裁選で岸田再選の可能性は十分あるというのだ。多くの派閥が解散し、麻生派と茂木派も実質的に派閥の機能を持たなくなれば、総裁選に有力候補を擁立することは難しく、無投票再選もあり得るという。
伝家の宝刀を実際に抜かなくても、解散権をチラつかせるだけで求心力を高めることができるというメリットもある。
「岸田首相は昨年、解散権を弄んだとさんざん批判されたのに、また同じ手が通用するでしょうか。それに、支持率低迷の最大の要因は、裏金でも派閥でもなく首相の不人気です。総裁選再選は簡単な話ではないですよ」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
調子に乗って再選を夢見ていられるのも今だけか。