2点二塁打で杉内をKO 楽天・藤田一也 は「斗酒なお辞せず」の守備職人
東北の守備職人が、バットでも魅せた。
二回、2死満塁の場面で左中間に先制となる2点二塁打。続く銀次もタイムリーを放ち、巨人先発の杉内をこの回途中でマウンドから引きずり降ろした。
近畿大学から04年ドラフト4巡目で横浜(現DeNA)に入団。昨季途中、内村とのトレードで楽天に移籍すると、二塁のレギュラーに定着。打率・275、48打点、33犠打という堅実な打撃もさることながら、「日本一」と評される守備で再三チームに貢献。辛口の星野監督でさえ、藤田について話す時は「アイツの守備で何勝できたかわからん。田中の連勝記録もウチの優勝も、カズヤのおかげ」と目を細める。
横浜時代を知る関係者は「二塁守備は間違いなく球界一」とこう話す。
「入団当時から、守備でメシを食っていける選手と評判だった。難点は打撃。直球には強いが落ちるボールに弱く、一軍にはなかなか定着できなかった。他球団からは毎年のようにトレードの打診が来たが、守備力を惜しんだフロントが首をタテに振らなかった。最終的に似たようなタイプの内村と交換したのは、『4歳若い内村の方が将来性がありそうだ』という判断だと聞いています」