「ケガのデパート」が86試合フル回転 上原に「世界一の反動」は?
「今年は出来過ぎだった。自分でも怖いくらい」
レッドソックスの6年ぶり8回目の世界一達成に貢献した守護神・上原浩治(38)が、今季を振り返ってこう言った。
シーズン序盤、クローザーを務めていたハンラハンが右ひじ、ベイリーが右肩を手術して相次いで離脱。6月下旬からクローザーに昇格した上原は、レギュラーシーズンでチームナンバーワンの73試合(74回3分の1)を投げ、4勝1敗21セーブ、防御率1.09。ポストシーズンも安定した投球を続け、タイガースとのリーグ優勝決定戦では5試合で3セーブを挙げて日本人初のMVPを受賞した。ワールドシリーズでも2セーブをマークするなど、最後まで完璧な火消し役を演じた。今季はポストシーズンも合わせて、なんと86試合に登板。巨人時代を含めても自己最多の登板試合数だった。
シーズン終盤から疲労はピークに達し、世界一達成直後の会見で「いまは『とにかく休め』と自分に言いたいです」と漏らしたのは本音だろう。
<「キツい時期があった」>
上原は日本にいるときから相次ぐ故障に悩まされてきた。巨人時代は両足太もも裏側の肉離れや右ひざ痛。09年にオリオールズに移籍して以降も左太もも痛、右ひじ腱の部分断裂、背筋痛などで毎年のように故障者リスト(DL)入り。今季を除けば、シーズンを通じて働いたのはレンジャーズ時代の11年だけだ。いわば「全身ケガのデパート」状態だった。