他球団の“お古”に30億円注ぎ込むソフトバンクの「計算」
「大金つぎ込んで、“お古”ばっかり補強したな」
ソフトバンクについて、球界でこんな声がある。去る17日に、前阪神のスタンリッジと2年総額4億円プラス出来高、前西武のサファテと2年総額2億円で合意。続く18日には前日本ハムのウルフと2年3億円で入団が決定。前オリックスの李大浩とは3年総額15億円程度の大型契約を提示し、合意間近といわれている。
王会長が「負けないと分からないこともある。現実は現実と受け止めて、強化するところは強化する」と話していたように、FAで獲得した中田賢一、鶴岡慎也の2人を加えて総額「30億円」の超大型補強となりそうだ。
中でも特徴的なのが助っ人の補強だ。1年契約で獲得したカニザレス(メキシカンリーグ)を除き、日本国内の他球団に所属していた選手たちばかり。しかも、前所属先の年俸と比べて好条件を提示している。ビジネス社会でいう「ヘッドハンティング」を仕掛けたわけだ。
「ソフトバンクは李大浩を獲得すれば、ラヘアら残留組を含めて計8人の助っ人を抱えることになる。ただ今回、助っ人獲得については国内での実績を重要視した。このオフに阪神が獲得した呉昇桓をはじめ、多くの新助っ人の売り込みがあったにもかかわらず、触手を伸ばさなかったのは、そんな事情があったからです。ソフトバンクは11年以降の2年間、リーグ優勝を逃している。来季のリーグ優勝、日本一奪回は孫オーナーの至上命令です。海外で実績のある新助っ人でも、日本の野球に適応できるとは限らない。今季はメジャー通算108勝のパディーヤを年俸2億6000万円で獲得したものの、わずか3勝に終わった。より確実な成果を求めるために、“お古”に頼らざるを得なかった部分もある」(マスコミ関係者)
“現実路線”でありながら、“苦肉の策”ともいえる今オフの助っ人補強。資金力のあるソフトバンクならではで、王会長はじめフロントは大きなプレッシャーを抱えることになる。