プーチンの狙いは? ソチ五輪は近年まれに見るハリボテ大会
そもそもソチ周辺はロシアの避寒地として知られ気候は温暖。オリンピック村から約40キロ離れたアルペン会場でも雪不足が指摘されており、人工降雪機がフル回転している。なぜソチなのか? という疑問はいまだに残る。
■成功で喜ぶのはプーチンのみ?
プーチン大統領が威信をかけて開催するソチ五輪の狙いは何か? テロは大丈夫か? ロシア事情に詳しい元NHKモスクワ支局長・小林和夫氏がこう言う。
「ロシア国内にもソチ五輪が成功すると困るという人たちがいます。プーチンが強権を持つことで、さらに窮地に追い込まれることを心配する政商たちです。そんな反プーチン勢力がチェチェンのテロ勢力を後押ししているという見方もあります。プーチンはピョートル大帝を尊敬しており、ソチを第二のサンクトペテルブルクにしたいというプランがある。ソチからコーカサスにかけては手付かずの自然が残っており、ヨーロッパからの窓口として観光客を受け入れたい。そのためには強いロシア、新しいロシア、安全なロシアを世界に発信するためにソチ五輪が役立つわけです。テロリストがソチ五輪を粉砕すると叫んでいますが、抑え込む自信があるのでしょう。シリア紛争外交で米オバマ大統領の評価が世界でがた落ちしており、その一方でプーチン大統領の存在感が増しています。この五輪が成功すればプーチン大統領の権力はさらに強まるはずです」
ソチ五輪が盛り上がれば、プーチンの高笑いが聞こえてくるわけだ。