権藤博氏が苦言 「松井裕は矯正するなと、星野監督はなぜ言わぬ」
連合艦隊司令長官の山本五十六が残した有名な言葉を思い出す。
<やってみせ 言って聞かせて させてみてほめてやらねば 人は動かじ>
当時は軍国主義の真っ盛り。上の者が白と言えば、カラスの色も変えなくてはいけない絶対的な上下関係があった。そういう時代の現場トップですら、「ほめなければ人は育たない」と言っているのに、日本のプロ野球は相変わらずだ。
楽天のドラフト1位左腕、松井裕樹(18)の投球フォームに早々とメスが入った。キャンプ6日目にして、立ったときのかかとの向きが悪い、体を反り返らすな、右肩の開きが早い、とコーチが指摘。矯正に乗り出した佐藤コーチが「(松井が)『これは合いません』と言ったらやめればいい」と言っているのが救いとはいえ、1年目の、それも高校を出たばかりの18歳が、プロのコーチから受けた注意を「これは合わない」と無視はできない。
特にルーキーにとっては、コーチの「アドバイス」は「命令」になって耳に入ることを肝に銘じておかなければいけない。