釜本邦茂氏 「“日本らしいサッカー”という言葉に違和感」
■失点シーンはかねてからの懸念材料だった
本田の先制点は、ストライカーの視点から見ると「お見事」だった。左サイドのDF長友からパスを受ける際、巧妙な身のこなしで即シュート体勢に入れるところにトラップし、体を右側に大きく倒しながら左足インステップで正確にボールを蹴り、狙い通りにゴール左上に叩き込んだ。
しかし、先制してからの日本は攻めあぐみ、それどころか後半19、21分と立て続けにゴールを決められる。失点シーンでは、かねての懸念材料が噴出してしまった。
2列目左サイドのFW香川は、言うまでもないが、攻撃面で威力を発揮する選手である。中に切れ込んで攻撃することも多く、どうしても自陣左サイドをお留守にしてしまうことが多い。しかも守備力自体、非常に心もとない。そうしたことはコートジボワールも研究済みだった。実際、攻めの60%が、日本の左サイドを狙ったものだった。
右SBオーリエが右サイドから正確なクロスを入れる。香川、左SB長友のチェックはなく、ほぼフリーで蹴ることができた。1失点目はFWボニに対するCB森重のマークが甘かった。2失点目は、やはり右SBオーリエがクロスを入れ、香川は自陣に戻っていたが、オーリエにプレスはかけられず、CB吉田はFWジェルビーニョに付き切れなかった。