釜本邦茂氏 「“日本らしいサッカー”という言葉に違和感」
この2失点目は、GK川島が右側のニアポストに飛んできたボールに反応できなかった。それぞれの選手が抱えている弱点といわれている部分が重なり合った格好だ。
■「コートジ戦は勝つための戦術で臨むべきだった」
コートジボワール戦は、NHK大阪放送局が主催した「8Kスーパーハイビジョンでのパブリックビューイング」にゲスト解説として参加。大きな画面でじっくり見させてもらった。そこでも話したが、後半17分にエースFWドログバが登場することで〈攻めの柱〉ができ、チーム全体に「点を取りにいこう!」と意思統一が図られ、日本の選手は引かざるを得なくなった。それにしてもドログバはさすがでしたね。ボールの受け方、ドリブルの仕方、味方への効果的なパスなど「日本人選手には難しい」ことを簡単にこなしていた。
試合後の日本代表選手のコメントを聞いて、首をかしげないではいられなかった。長谷部も香川も「日本らしいサッカーができなかった」ことを敗因に挙げた。そもそも「日本らしい」サッカーって何だろうか? 細かくボールをつなぎ、ポゼッション(ボール支配率)を上げて試合の主導権を握る。プレーでは両サイドを有効に使いながら積極的にゴールを狙っていく。攻守の連動性を高める――といった部分が「日本らしいサッカー」というコトだろうが、どれもこれもコートジボワール戦ではできなかった。