本当にアギーレでいいのか? 次期代表監督の「必要絶対条件」
しかし、ここにきてダークホースの名前が急浮上。決勝トーナメント1回戦でブラジルを追い詰め、PK戦で涙をのんだチリ代表のアルゼンチン人監督ホルヘ・サンパオリ(54)だ。
ペルー、エクアドル、チリ各クラブの監督として実績を積み、12年にチリの強豪ウニベルシダで国内リーグ3冠と南米クラブ選手権優勝を達成。チリ代表監督に抜擢された。豊富な運動量と攻守の連動性を求め、アグレッシブな攻撃サッカーを志向。熱血漢としても知られ、ベンチの前で太めの体で跳びはねている姿が印象的だった。
ともあれ、無様な戦いぶりで1次リーグ1分け2敗に終わったザッケローニよりも、次期監督候補は頼もしく見えてくる。しかし問題は、ザッケローニに決めたサッカー協会の専務理事にして強化委員会の原博実委員長にもある。
サッカーライターの平野史氏は、「性格や人柄は二の次でいい。W杯本大会で結果を残せる勝負師を連れてきて欲しい」と、こう指摘する。
「日本は06年ドイツW杯も、今大会と同じ成績で1次リーグで姿を消したが、両大会の指揮官には共通項がある。ドイツ大会のジーコ監督は理知的な常識人。きちょうめんな性格で日本人をリスペクトし、日本社会にスムーズに順応する柔軟性もあった。ザッケローニも同じタイプです。ザッケローニ自身が『ワタシの半分は日本人だと思っている。日本に恋している』と公言。すっかり日本に馴染んでいた。しかし、ジーコもザッケローニも代表主軸を固定し、控え選手を腐らせてチームに閉塞感を漂わせ、試合中に劣勢になるとパニックになって選手交代、戦術変更で後手を踏む。ひのき舞台のW杯では何の策もなく、1勝もできなかった。そもそも代表監督経験がなかった―と似た者同士だったのです。どんなエゴイストでもいい。サッカーの指導者として有能な人物を次期監督に据えて欲しい」
人柄は満点でも監督としての能力はクエスチョン。そんな指導者はもうコリゴリ……それがサポーターの本音ではないのか。