ダル球宴初登板 1回3人斬りで「サイ・ヤング賞」へ弾み
田中は右肘靭帯部分断裂で戦列を離れたとはいえ、前半戦で日米両メディアの話題を独占。リーグトップの12勝(4敗)をマークした。
自身は首の張りで開幕から故障者リスト入りしたこともあり、ここまで8勝5敗。今回の選手間投票でも田中がアの先発部門でトップの327票を集めたのに対し、ダルは142票(5位)と大差がついた。
ダルが田中を過剰に意識しているのは、その言動からもうかがえた。田中がまだ離脱する前、同じア・リーグの一員として球宴に臨むことに「(去年の)岩隈さん(マリナーズ)とは楽しかった。(今年は)違うやつがいるのでちょっと嫌だな」と話した。そばにいた通訳が慌てて「今のは冗談ですから」と否定したものの、本人は「真剣です」と付け加えたほどだ。
その田中が長期離脱もささやかれるだけに、ダルにとっては薄れかけた存在感をアピールする絶好のチャンス。球宴で好投し、その勢いを後半戦につなげて、今季の主役の座を田中から奪い返そうと考えているに違いない。
開幕前のこと。ダルは親しい知人に、「今年こそサイ・ヤング賞を取りたい」と打ち明けたそうだ。