学者が分析 プロ野球「ファイナルS」なぜ盛り上がらない?
盛り上がりに欠けるのは、スター不在の事情もあるだろう。昨季は開幕24連勝し、楽天日本一の立役者になった田中(25=現ヤンキース)という大スターがいた。今季は田中に続くといわれていた広島の前田(26)が11勝9敗とサッパリ。MAX162キロを投げる日ハムの大谷(20)も、まだプロ2年目。しかもCSファイナルステージでは打者に専念するというのだから、せっかくの二刀流も宝の持ち腐れだ。
冒頭の黒田氏は、日ごろからプロ野球の問題点に注目する人物。その黒田氏は「むしろ、今のプロ野球のスターって誰ですか? と言いたい」と、こう続ける。
「そのスポーツ競技が発展するためには、突出したスターがいなければいけない。フィギュアスケートなら浅田真央、ゴルフなら高校時代の石川遼などが良い例でしょう。しかし、現在のプロ野球にはそうした選手がいない。オリックスの金子は日本でナンバーワンの投手だと思いますが、どちらかといえば玄人好みする選手ですからね。昔に比べて、選手個々の技術や能力は間違いなく上がっているが、個性は失われているように感じます。地元の有名人、ローカルキングはいても全国区の選手がいなければ、盛り上がらないのも無理はありません」