“サブ10”に苦労の男子マラソン 「国内1位は意味ない」の声
昨年9月のベルリンマラソンではキメット(ケニア)が2時間2分57秒で世界新記録を更新。男子マラソンが年々、高速化する中、日本記録は高岡寿成が02年のシカゴマラソンで出した2時間6分16秒で止まっている。あれから12年以上も経っているのに、今は10分台を切るのにさえ四苦八苦している。後退した日本人ランナーが「サブ10」をクリアするのはそんなに厳しいことなのか。
■「タイムへの意識が低すぎる」の指摘
アテネ五輪金メダルの野口みずきを育てた元シスメックス監督の藤田信之氏がこう指摘する。
「調整や練習に問題があるのも事実ですが、何よりも選手たちのタイムへの意識が低すぎます。男子は『サブ10』どころか、最低でも2時間6分台の記録を持った選手でなければ世界では戦えません。選考レースで代表入りの条件の一つである『日本人1位』を狙うのではなく、2時間6分台を目指さないようではダメです。タイムが伴わない『日本人1位』という緩い基準だと、それに甘えてレース終盤になると海外勢について行こうとする選手は出てこない。2時間10分すら切れないのは当然でしょう」
日本人1位など何の価値もない。