昼は丸、夜は菊池 広島・鈴木誠也が“師匠”を使い分ける理由
「今年はレギュラーを取ります。阪神とのCSで、野村(前)監督に最後まで使ってもらった。あそこは正直、『ああ代打だな』と思いましたから」
こう話す広島3年目の鈴木誠也(20)は昨季、36試合に出場。打率.344をマークした。阪神とのCSファーストステージ第2戦に「7番・右翼」で先発出場。0―0の七回1死満塁の好機で打順が回ってきた。本人も「代打か」と思ったこの場面、野村前監督はそのまま鈴木誠を打席に送ったが、結果は三ゴロ。チームは零敗しシーズンが終了。試合後、ベンチで涙する姿があった。
「悔しかった。野村監督に恩を返さないといけない。今年はやれよと言われているんです」
高卒2年目の昨季は、手応えをつかみつつ、実力を思い知った年でもあった。現在、外野の一角をドラフト1位ルーキーの野間らと激しく争う。永田利則一軍総合コーチがこう言う。
「振る力が強いから長打力がある。期待を込めて言うと、誠也は去年の山田(ヤクルト)のようになるだけの『モノ』を持っています」
涙したCS敗退から「何が長所で何が足りないか」を自問自答したという。