敦賀気比が北陸勢初V センバツが“東高西低”なぜ様変わり?
■九州では生徒を集める手段が「野球」ではなくなった。
そこへいくと不甲斐ないのが中国、四国、九州勢だろう。
今大会は中国3校と九州4校、計7校がすべて初戦敗退。3校が出場した四国勢にしても、秋の四国大会を制した英明(香川)は1回戦負け。21世紀枠の松山東と今治西(ともに愛媛)が、辛うじて1回勝っただけだ。
かつては野球どころといわれた四国のある名門校の監督がこう言った。
「伝統校のほとんどは地元の軟式野球出身。いわば学校のクラブ活動でやってた生徒だから、中学時代から硬式を使ってウエートトレまでやってた子たちとは体格も技術も違いますよ。四国は硬式のクラブチーム自体が少ない。わたしの聞いたところでは、あの高知ですら、中学生対象の硬式のクラブチームは1つしかないというんですから」
九州の地元紙記者が引き取ってこう話す。
「こちらは年間通じてグラウンドが使えるし、私学を中心に選手集めにも力を入れた。そうすることで、ある程度、結果も出ていました。けど、すでに行くところまで行ったというか、学校の名前を売り、生徒を集める手段が野球ではなくなってきている気はしますね」
スポンジが水を吸うように野球が浸透している最中の北に比べ、南はすでに飽和状態、“お腹いっぱい”。野球にかける意欲、情熱がそのまま結果に結び付いているというのだ。この傾向は夏も続くとみていいのではないか。