米国では日常茶飯事 「世紀の大トレード」日本からなぜ消えた

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 日本球界でも、かつては大型トレードが行われていた。阪神のエースだった江夏は76年の南海移籍を皮切りに、4度のトレードで5球団を渡り歩いた。「世紀の大トレード」と言われたのが、63年の山内(大毎)―小山(阪神)。75年には張本(日ハム)が高橋・富田(巨人)と1対2で移籍した。阪神は78年に江川を放出し、巨人の小林を獲得。さらに田淵ら2人を西武の真弓ら4選手とトレードした。86年の中日ロッテの落合を獲得するため、牛島ら4人を出している。

 なぜ、現在はこうした大型トレードがなくなったのか。ある球団で編成を務めたOBは「ひとつはファンの反発でしょう」とこう言う。

「日本はトレードそのものにマイナスのイメージがある。主力を出せば必ずファンから『なぜアイツを放出した!』と反発されますからね。しかも、昔と違って(インター)ネットが普及している。トレードに反感を抱くファンがネットで意見を共有すれば、反発は我々も無視できないほど大きなものになる。編成部や球団フロントが連日やり玉に挙がり、下手すれば球団人気そのものに響きかねない。セのある球団などは、大型トレード案が決まりかけながら、フロント上層部が『ファンの意見も聞いてみないと……』と及び腰になって破談になった。昔では考えられないことです」

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