3年ぶり初日土に観衆喝采 白鵬が望まれるのは“負けっぷり”
座布団が乱れ飛ぶ中、呆然としていたのはむしろ勝者の方だった。
大相撲夏場所初日(10日)、結びの一番で横綱白鵬(30)が新小結の逸ノ城(22)に敗れた。立ち合いでがっぷり四つになると、逸ノ城は右下手を巻き替えて強烈な突き落とし。白鵬はバッタリと両手をついてしまったのだ。
「立ち合いは思い切り突き放していこうと思ったけど、うまくいかなかった。そこからの相撲? まあ、流れで……」と、勝因がわからぬといったあんばいの逸ノ城。一方、白鵬は汗だくの顔を紅潮させ、花道を引き揚げた。支度部屋では「(稽古で可愛がりをしただけに)恩返しされたね」とつぶやくも、内心は怒りと悔しさが渦巻いていたはずだろう。
場所前は「最近の目標に(歴代1位の)1047勝(魁皇)というのがある。今は909勝だから」と大言壮語していた。それが両手をついての負けでは、とんだ赤っ恥だ。
白鵬の初日黒星は12年夏場所以来となる3年ぶり。当時は平幕の旭天鵬に優勝を許している。
「衰えが顕著」と言われてきた白鵬が優勝を重ねてきたのは、他の力士が弱すぎたからに過ぎない。それが「痩せなきゃ、痩せなきゃ」と体重過多に悩んでいる逸ノ城にあっさりと負けた。