霜田正浩技術委員長が今語る「ハリル日本」誕生の舞台裏(3)
「ハリルホジッチ監督がよく使う言葉にDuel(デュエル)という単語があります。これは1対1などの意味です。球際という言葉は、日本ではルーズボールを取り合うようなイメージを持たれますが、相手のボールを《奪取する》、マイボールを奪いにきても《簡単に倒れない》、あっさりとボールを《失わない》など、すべてデュエルなのです。これを今後、サッカー協会としてきちんと発信していきます」
■「サッカーに芸術点はない」
――これまで日本サッカーは、日本人はフィジカルで劣るのはしょうがないと諦めてしまう傾向にありました。
「フィジカルコンタクトの強化は、絶対に避けては通れません。日本代表選手の平均身長を185センチにすることは出来なくても、球際の強さは強化できます。メキシコもチリも日本人と体形が似ているといわれます。しかしながら体の太さ、胸板の厚み、重心の低さ、気持ちの強さには、まだまだ差があります。確かに上背、背格好など似通っていますが、追い付いていない部分は多くあります。フィジカル強化を真剣に取り組まないと次のステップに進めません」