60億円はドブに捨てたも同然 遅すぎた「新国立」計画見直し
新国立競技場建設の事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)は21日、デザインを手がけたザハ・ハディド氏の事務所や設計業務を担当者した設計会社などと、総額で約60億円の契約を結んでいることを明らかにした。
ハディド氏のデザイン監修料14億7000万円のうち、すでに13億円は支払い済みで、それ以外の業者に払い込んだ費用の大半も無駄になる見込み。そればかりか、ハディド氏には損害賠償を請求される可能性もあるという。
もっと早期に計画を撤回すれば、損害額も抑えることができたはず。約60億円もの大金はドブに捨てるも同然となれば、今後ますます「責任の所在を明らかにせよ」との声が高まるのは必至だ。
18年平昌冬季五輪を開催するお隣の韓国では20日、同五輪組織委員会の趙委員長が会見を行い、「五輪だけに必要な装備は購入するのではなく、設計の変更やリースなどでコスト削減を進めている」と言った。
当初は資金難で五輪関連施設の工事遅れなどが懸念されていた韓国だが、計画の見直しなど柔軟な対応で準備は順調に進んでいるようだ。
安倍首相は自らの保身のため、遅すぎる新国立計画の見直しで時間とカネの多大なロスを生んだ。
「バカなリーダーを持つと、五輪は成功しない」と、隣国の関係者は呆れているに違いない。