ズバ抜けていた東海大相模の走と守
夏の甲子園は大本命の東海大相模(以下、相模)が2度目の優勝を飾った。
総合力で他を圧倒した。投手は小笠原、吉田のドラフト候補左右2枚看板を擁し、強力打線も機能した。
決勝で小笠原は打線がいい仙台育英に6失点。走者がいると決め球のチェンジアップが極端に少なくなり、直球にこだわり過ぎたのが要因だろう。それでも要所で抑えたのはさすがだった。
朝日新聞の「高校野球100年」の企画のため、甲子園で数試合を観戦した。感じたことは各校の走塁の意識の低さである。
最近は高校野球でも縦の変化球を多用する投手が多い。しかし、ワンバウンドを捕手がはじいても一塁走者が二塁を狙わない。まず、ワンバウンドを止めにいく捕手なのか、捕球しにいく捕手なのかを見極める。今大会は止めにいく捕手ばかりだった。股間にずっとミットが入っていれば「止める捕手」だと分かる。これは確実にはじくということ。ホームベース付近でバウンドするような変化球の時は、一歩早くスタートが切れるのだ。確実に二塁が狙えるのに、実践していたのは相模くらいだった。