世界体操前人未到6連覇も 内村航平「リオ五輪」への課題は?
団体で強さを発揮する中国を筆頭に海外のライバルはリオでは技の難度を上げて日本に対抗してくるのは必至。04年アテネ以来の団体金を目指す日本にとって、今大会のエース内村の出来に不安を残したが、それ以上に深刻なのは感覚に狂いが生じていることだという。
内村は一つ一つの技の完成度に加えて、バランス感覚やコンディション維持に定評がある。跳馬や鉄棒などで着地する際にかかる膝や腰への負担を軽減するため終末技を工夫したり、その日の体調に応じて力の入れ具合を変えて体への負担を分散させることにたけている。体勢を崩して落下するなど最悪の事態を想定し、急所へのダメージを避けるため、受け身の練習もしていたという。
今大会は、およそ内村らしくないミスが出るなど、全盛期には程遠い状態だ。失敗した鉄棒以外は高いレベルの演技を保っているだけに、技量の低下よりもリスクを回避する能力が衰えたとみる体操関係者は少なくない。
内村は来年のリオは27歳で出場する。男子体操選手のピークといわれる25歳を過ぎているだけに急激に衰えても不思議ではない。