北の湖理事長死去で激化 水面下で蠢く角界“後継争い”全内幕
「ケガをしたときも声を掛けてもらい、励ましてもらった。心からお悔やみ申し上げたい」
大相撲九州場所で2年ぶりに優勝した日馬富士が23日、13日目に死去した北の湖理事長(享年62)についてこう言った。協会幹部や親方連中もときに涙し、ときに殊勝なコメントを発しているものの、協会内部で実は激しい権力闘争が行われている。協会トップがいなくなったことで、せきを切ったように利権を我が物にしようという動きが活発化しているのだ。ある親方によれば、「露骨なのは九重親方(元横綱千代の富士=60)」だという。
かつては北の湖理事長の下、事業部長を務めた協会の元ナンバー2。しかし、昨年1月の理事選でまさかの落選という憂き目にあった。それだけに来年1月の理事選で理事に返り咲き、あわよくば北の湖理事長の後任のイスを射止める腹積もりらしい。前出の親方がこう言った。
「次期理事長といわれた九重親方が理事選で落選したのは、北の湖理事長の右腕といわれた協会顧問の策略でした。九重親方が一昨年、その顧問が裏金を受け取った動画を利用、顧問を失墜させようとしたもくろみが顧問の逆鱗に触れ、逆に追い落とされたのです。九重親方は2年間、冷や飯を食わされたとあって、顧問に対して恨み骨髄。ゆくゆくは理事長になって顧問を放逐しようと、理事に返り咲くための票を九重親方の高砂一門はもちろん、他の一門からも集めようとしていると聞きました。なんでも1000万円を超す実弾が飛び交うといいます」