楽天オコエ 紅白戦「左中間三塁打」で遅れる一軍への定着
目の覚めるような長打だった。
7日、楽天の新人、オコエ瑠偉(=18、関東一)が紅白戦の白組、「2番・中堅」で実戦デビューした。初回は2年目の安楽にコースを突かれ、見逃しの3球三振。その後も一邪飛、中飛と凡退が続いた。
このまま良いところがなく終わると思われたが、七回無死一、二塁の場面で回ってきた4打席目は左中間を真っ二つ。自慢の快足で、一気に三塁を陥れた。
「反省を生かせたのが収穫です」とは試合後のオコエだ。
関東一の米沢監督もかつて、「打力はウチの3番打者の方が勝っている」と話していたように、オコエの課題は打撃。キャンプでは2日目から池山打撃コーチにマンツーマンで指導を受けた。この世界ではルーキーへのフォーム改造はご法度。それを破ったくらいなのだから、いかにオコエの打撃が目に余ったかということだ。
それだけに三塁打は朗報かと思いきや、逆に害になりかねない。オコエは言動からして、謙虚や控えめといった性格ではない。プロのレベルを肌で実感し、真摯に課題に取り組むようなら、それで良し。しかし、会心の三塁打で「本気を出せばこんなもんだ」と勘違いするようなら、池山コーチと取り組んでいる基礎練習にソッポを向きかねない。
同じ高卒ルーキーでも、西武時代に新人王を獲得した清原(容疑者)などと比べれば、打撃の素質は雲泥の差。もしも自信が過信となれば、一軍定着は最低でも3年は遅れることになりそうだ。