「超変革」金本監督の足を引っ張ろうとOB連中“虎視眈々”
■気遣いを忘れなかった星野仙一氏
監督を決めるのに、OB会にお伺いを立てるなど、一昔前の巨人を除けば他球団では聞いたことがない。にもかかわらずこんな珍事件が起きるのは、阪神という球団がフツーではないからである。
例えば、阪神は昨秋、球団社長が南信男氏から四藤慶一郎氏に代わったが、南社長時代は先の総会にも出席していた有力OBに、監督人事を相談していた「前歴」がある。
阪神には口うるさいOBが多く、そのOBを抱えるスポーツ紙などが、監督やコーチで入閣させようと暗躍してきた歴史がある。足を引っ張られた監督は1人や2人ではない。それを知っている星野元監督は、中日の監督を辞めて阪神に来た直後、OBたちへの気遣いを忘れなかった。
ベテラン記者が言う。
「星野さんは右腕の島野(育夫)ヘッドや親友の田淵幸一打撃コーチを引き連れて、ミスタータイガースの藤村富美男さんと村山実さんの墓参りをした。前のOB会長の田宮謙次郎さん(故人)と当時の会長だった安藤統男さんにもわざわざ挨拶に行っただけでなく、OB会には、新コーチを全員出席させてバックアップをお願いした。阪神の監督はOBとマスコミを敵に回したらペナント争いに集中できないとはいえ、ここまでやる人はいません。星野さんと同じことを金本監督に求めても無理な話です」