マエケン抜けた広島も首位争い 「エース売却」何が効用か
去る6日、大リーグ移籍を目指す選手が利用する入札制度(ポスティングシステム)が今オフも現行通り、運用されることが決まった。
日本のプロ野球選手が同制度を利用してメジャー挑戦する場合、球団は移籍金(現制度では2000万ドル=約21億6000万円が上限)を得る代わりに、当然のことながら大きな代償を払う。過去に入札制度で渡米した選手はエースや主力打者がほとんど。フツーに考えれば受けるダメージは大きいはずなのに、低迷するどころか目につくのはむしろ逆のケースだ。
昨オフ、入札制度でエース・前田健太(28=現ドジャース)を失った広島は9日現在、首位中日とゲーム差なしの2位。貯金3で首位争いの輪に加わっている。12年の日本ハムは前年オフ、ダルビッシュ(29=現レンジャーズ)を入札制度で放出しながら3年ぶりにリーグ優勝した。06年オフに松坂大輔(35=現ソフトバンク)を失った西武は、2年後の08年シーズンにパを制して日本一になった。エースが抜けた状況をマイナスどころか、プラスに転じた球団がなぜか多いのだ。
広島を例に取れば、マエケンを放出したことで得た約21億6000万円を有効活用している。