故千代の富士を理事選で標的に 貴乃花親方の空疎な追悼文
ある親方は「それも貴乃花親方の存在が大きかった」と、こう続ける。
「北の湖理事長亡き後、貴乃花親方は理事長の座を狙った。理事長は理事の互選で決まるため、自分を支持する理事が一人でも多く必要だった。そのため、シンパである山響親方(元平幕巌雄)たちを理事選で当選させる必要があった。再びターゲットにされ、周辺の票を失った九重親方は出馬すら断念せざるを得なかった」
貴乃花親方にとって、九重親方は目の上のタンコブ。仮に理事長のイスを手に入れたとしても、九重親方が理事ならば獅子身中の虫となりかねない。貴乃花親方は何が何でも、ライバルを蹴落とす必要があったのだ。
思えば、貴乃花親方は貴花田時代の91年5月場所初日に千代の富士に勝ち、引退のきっかけをつくった。その上、2度の理事選で理事としてもトドメを刺した。
その野望に巻き込まれ、あの世に旅立った九重親方は何を思うか……。