東京五輪「金30個」 実現のカギ握る女子選手と強化費配分
■シンクロ、バスケ、体操を優先的に強化
スポーツライターの高野祐太氏は、「税金を投じて選手を強化する以上、これまで以上にメダル獲得の可能性を見極める必要があります」と言って、こう続ける。
「東京五輪まで強化に費やせる時間は短い。世界のトップと比べて明らかに実力が劣る競技にお金と労力をつぎ込むよりも、実績があって東京でのメダル獲得が期待できるものを優先的に強化した方が効率的です。例えば、今回の女子バスケや男子ラグビーは格上の相手を相次いで撃破した。メダルは逃したが、世界と互角に戦えることを証明した競技にこそ予算を多く振り分けるべきです。さらに銅メダルだったシンクロ、4位に終わりメダルにあと一歩届かなかった女子体操団体などのレベルアップを図る方がメダル量産に近づくと思います」
確かに、柔道や競泳など、お家芸といわれる一部の競技を除けば、飛び込み、テコンドー、セーリング、重量挙げなども女子の方が男子よりも世界との差は開いていない。
英国は12年ロンドン五輪に向けた強化で競技を厳選した。体操や競泳などの底上げを図った結果、金メダルは08年北京大会の19個から29個に増やし、総獲得数65個で国別3位に入った。今大会も金27個を含む67個のメダルは米国に次いで2位だった。
日本は東京五輪に向けて、女子競技に大金をブチ込むことで、さらなるメダル獲得につなげることができるのか。