G大田とハム吉川のトレード 両軍の思惑とメリットを分析
CS、日本シリーズと今季最大のヤマ場で出番なしに終わった事実が、掛け値なしの実力を物語っているようなのだ。それでいて年俸は9000万円。費用対効果も悪く、“リストラ”の対象だったという。
「来季はプロ2年目を迎える吉田侑樹(22)と、3年目の石川直也(20)を一軍デビューさせるプランがある。若手を抜擢するためにも、先発枠をひとつ空ける必要があった」とは前出のOBだ。
■素材は一級品でも……
一方、08年のドラフト1位で獲得した大田の放出を決断した巨人の堤GMは、「彼を出すことにはチーム内でもいろいろな意見があった」と話しつつ、「環境を変えた方がいいという判断です。(日本ハムに)『ぜひ、北海道で花を咲かせてやってください』とお願いした」と言った。つまり、松井秀喜の後継者と期待されて8年、巨人ではもうこの「未完の大器」を開花させる術がない、とサジを投げた格好である。
チーム関係者が言う。
「厳しい言い方をするなら、アタマと姿勢の問題。素材は一級品、と誰もが認める身体能力を持ちながら、それを生かせなかったのは、指導体制もさることながら、本人の問題が大きい」