今や助っ人枠 長嶋や掛布が築いた「三塁花形説」は昔話か
阪神のヘイグは三塁手として期待されたものの、出場31試合で打率.231、2本塁打、11打点と散々だった。15日に、ゴメスやサターホワイトなどとともに今季限りでのクビが発表された。阪神はこのオフも三塁の助っ人を獲得する予定だ。
同日、今季大リーグのアストロズなどでプレーしたマット・ダフィー内野手(27)とロッテの契約合意が近いことがわかった。ロッテも、今季3Aで14本塁打のこの助っ人を、レギュラーが固定できなかった三塁で起用するようだ。
二塁や遊撃に比べて、一塁と三塁は、併殺プレーや複雑なサインプレーは少ない。そのため近年は助っ人が守るケースが多い。だが、長嶋茂雄(巨人終身名誉監督)に代表されるように、かつてはチームの看板選手がファンを沸かせるポジションだった。
ある在京球団の関係者が言う。
「長嶋さんは勝負強い打撃だけでなく、華麗なグラブさばきや帽子を飛ばす送球など、派手なアクションでも魅せた。高校からドラフト6位で阪神に指名され『ミスタータイガース』にのしあがった掛布(雅之=現二軍監督)も、痛烈な三塁線の打球に飛びつき何度も好捕した。スタンドに近い一塁や三塁は、本来なら生え抜きのスター選手が守った方がいい。野手なら毎日試合に出るのでファンも喜ぶ。でも、最近は一塁だけでなく、三塁も助っ人が守るようになってきた。生え抜きのスター選手が三塁に固定されているのはソフトバンクの松田ぐらいでしょ。もっとも、二塁手の山田(ヤクルト)が2年連続トリプルスリーを達成する時代ですからね」
二刀流なんてとんでもない選手も出てくる今のプロ野球に、三塁花形説なんて昔の話なのかもしれない。