「田中正義は軽度のイップス」 指名回避のスカウト漏らす
今年のドラフト最大の目玉だった創価大右腕の田中正義。ロッテ、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島の5球団が競合し、獲得交渉権を得たソフトバンクに入った。
この田中を指名しなかった球団の中には、春のリーグ戦で発症した右肩痛を懸念したところもあるそうだが、秋のリーグ戦で155キロを出したことから、上記の5球団は「心配なし」とみて指名に踏み切ったのだろう。
だが、田中を指名しなかったある球団のスカウトは田中の調査中、「見たくなかったものを見た」という。
「その試合で田中はゴロを捕って、至近距離から一塁へ送球することが3度あり、いずれも山なりのボールだった。ゴルフのパッティングで自分の思い通りの距離が打てないことをイップスという。精神的な原因などによる運動障害です。私は過去にいろいろな選手を見てきたが、田中は軽症のイップスだと思う」
ドラフト1位投手でイップスに苦しんだといえば、元ヤクルト右腕の増渕竜義(06年高校生1位)だ。14年に日ハムに移籍して昨季で退団したが、ボールが手から離れないほど重症の時期もあった。
「増渕は2ケタ勝てるぐらいのストレートを持っていたが、9年でたった15勝で終わった。イップスの投手は大成しない。田中の素材は間違いなくメジャー級ですから、私の目が間違っていればいいんだがね」と、前出スカウトは言う。