日本中が歓迎ムード…だからこそ心配な稀勢の里の心と体

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 痛めつけられるのは内臓だけではない。フィジカルトレーナーの平山昌弘氏がこう語る。

稀勢の里は、体が丈夫でケガの少ない力士といわれていますが、過度の緊張が続くと、筋肉は弛緩しない。筋肉が十分に収縮しなければ、身体のコントロールがきかない。思った通りの動きができなければ故障につながります。人間は環境や置かれた状況で精神状態はガラリと変わります。冷静でメンタルコントロールに長けたイチローでも、09年のWBCでは、大スランプになった。チームリーダーとしてナインを引っ張り、連覇が義務付けられていた彼の強い責任感がいつもとは異なる心の状態をつくりだし、イメージ力や身体をコントロールする能力も奪ったのでしょう。今の稀勢の里にとっては他人事ではありません」

 稀勢の里は「体も元気だし、心も元気。まだまだ強くなると思っている。ここからがスタート」と言った。そして「(横綱は)責任ある地位。負けたら終わり」とも語った。

 横綱として迎える春場所は、それこそ連続優勝しなければ格好がつかない。初場所はぶざまだった白鵬を筆頭に、休場明けの日馬富士鶴竜も目の色を変えて挑んでくる。ここ一番の取組に負けてメンタルが弱いと言われ続けた稀勢の里には、多くの敵と「つくられた横綱」の重圧が待っている。

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