また2回目飛べず 葛西の低迷は平昌五輪前の“死んだフリ”
ノルディックスキーのW杯ジャンプ個人第15戦(ビリンゲン=ドイツ)で葛西紀明(44)は37位に終わった。2回目の飛行に進めなかったのは今季5度目。ジャンプ界のレジェンドも年齢からくる衰えを囁かれているが、周囲はまったく心配していないという。
どの選手も、今は来年の平昌五輪のメダルが目標だ。葛西の頭にあるのも五輪だけ。2月(11、12日)の札幌大会は地元開催なので、さすがに惨敗はできないだろうが、よくてもベスト10入りで終わり、その2週間後に行われる世界選手権(フィンランド)も本気を出すかは疑問だ。
理由はジャンプスーツ。トップ選手たちの飛距離はスーツで決まるといっても過言ではない。そのため、スーツの通気量や生地の厚みなどは細かく規定が決まっている。日本選手のスーツは欧州勢に比べて生地は悪いものの、カッティングと縫製技術は世界一。飛行中に首の後ろから入る風(空気)を背中や尻の部分にうまくためて揚力が増し距離が出る。
これまで日本つぶしのため、何度もスーツのレギュレーション(ルール)は変えられてきた。竹内は今季第2戦で130メートルの大ジャンプの後にスーツ規定違反で失格した。好成績が続くと、欧州勢は日本のジャンプスーツを徹底分解してカッティングや縫製技術を盗むし、標的にする。
葛西の低迷は平昌五輪を見据えての「死んだフリ」ということか。