二遊争う中日・阿部寿樹は落合GMの数少ない“置き土産”
「先が長いわけじゃない。コーチからも『時間がねえぞ』と言われています。一日一日が勝負ということを肝に銘じてやらないと」
こう言ったのは、中日2年目の内野手・阿部寿樹(27)だ。特打のあとはランニング、さらには室内練習場で一心不乱にバットを振った。練習が終わると、時計の針は18時を回っていた。
遊撃、二塁のレギュラー争いに参戦中。定位置の遊撃は昨季のレギュラーである堂上に加え、ドラフト2位新人の京田(日大)も守備で評価を得ている。ポジション取りの道のりは決して平坦ではないが、「目立つ存在」と多くの関係者が口を揃える。
中田翔(日本ハム)らと同じ89年生まれ。一関一高(岩手)、明大、ホンダを経て、15年ドラフト5位で入団したオールドルーキーは、落合前GMイチオシの選手だった。14年ドラフトでも指名候補に挙がったほどで、落合前GMは継続して調査を続け、晴れて中日入りを果たした。
■課題の打撃に磨き
昨季は即戦力遊撃手として一軍キャンプに帯同した。入団時は主に守備を評価されていたが、キャンプ途中で二軍降格。阿部は「体力のなさを痛感した。野球をする以前の問題だった」と言う。