WBC日本代表投手が派手に打たれているのには理由がある
ロッテの石川歩(29)が、今季初登板から2試合連続でKOされた。
先のWBCで日本代表の先発を任せ、投手コーチだった私が最も頼りにしたひとりだ。本人に聞くと「調子はいいんですが……」と言っていた。確かに、投げているボール自体は決して悪くない。
そこに原因がある。
巨人の菅野智之(27)も11日の広島戦で5失点KO。翌日、楽天の則本昂大(26)は西武打線に打ち込まれ、5回6失点でマウンドを降りた。ソフトバンクの千賀滉大(24)も今季初登板となった4日の楽天戦で4回7失点KO。侍ジャパンの先発陣がみな、一度は派手にやられている。
「疲労」は的外れ
彼らも石川と同じで、いいボールを投げてはいる。しかし、打たれた。いや、だから打たれた、と言っていい。
侍ジャパンの面々は、3月7日のWBC開幕に合わせて、オフから調整をした。「その疲れがあるんだろう」と訳知り顔の解説もあるが、それは違うだろう。今後、通常より1カ月早くピークを持ってきた影響が出てくる選手はいるかもしれないが、それはもっと先の話。石川が、「調子はいい」と言うのはもっともで、とっくに臨戦態勢を整え、あのWBCの激闘を戦った日本代表の投手陣の多くは、仕上がった状態のはずだ。