侍ジャパン “ポスト小久保”人事より「GM選びが先決」の声
今回、監督の任命責任はコミッショナーではなく、侍ジャパン強化委員会が担うことになった。
「ただ、現状では井原委員長が編成トップとして交渉窓口に当たる、といった話はまだ決まっていない」と、某球団幹部は明かす。すでに後任監督には、第2回大会で世界一を達成した前巨人監督の原辰徳氏(58)らの名前が挙がっているが、まずはGMに準ずる編成責任者を決めて、編成部門を強化することが先決だろう。
■優勝した米国のやり方は…
「今年の優勝国で、日本が準決勝で敗れた米国のやり方は参考になるはず」
と言うのは、WBCや五輪、MLB球団で通訳を歴任、国内外の野球事情に詳しい小島克典氏(スポーツカルチャーラボ代表)。
「米国はヤンキースや第3回WBCの代表監督だったジョー・トーリ氏(76)をGMにした。監督の人選に加え、多くのMLB球団が選手派遣に難色を示して招集に苦心する中、トーリ氏の存在があったことで球団側の妥協につながった。GMを置くことでチームづくりの所在はハッキリするし、監督はフィールドマネジャーに専念できる。戦う環境をつくることも代表強化のために必要だと感じます」
東京五輪もWBCも公式戦とは別物。ペナント開幕直前にドリームチームを組もうとすれば、選手も12球団も、それだけのリスクを背負う。「日本球界にGMの適役がいない。長嶋や王なら文句は出ないだろうが……」という声もあるが、基盤をつくる時間は今しかない。