楽天ストッパー松井裕を生かすも殺すも梨田監督の腕次第
■すでに危ない兆候
梨田監督はすでに2度も、「回またぎ」の登板をさせている。優勝が懸かったシーズン終盤ならいざ知らず、まだ開幕して20試合前後のこの時期の起用としては理解に苦しむ。若いから大丈夫、と体力に頼るのは誤った考えで、若い投手だからこそ、使い方には慎重になるべきだろう。
「回またぎ」が難しいのは、単にスタミナや疲労だけの問題ではない。マウンドからベンチに戻り、再びマウンドに上がる。ショートイニングが持ち場のリリーフ投手にとっては、ベンチに座っている間のこの“休息”が厄介なのだ。
張り詰めていた緊張の糸が一度切れ、頭が冷静になって、考える時間ができる。
すると、次の回もちゃんと抑えないといけない、抑えられるか……と自分で自分にプレッシャーをかけてしまうことがあるのだ。若い選手は特に考えなくてもいいことまで考える傾向が強い。
好調な選手ほど、一度の失敗が尾を引くことがある。現代野球において、ストッパーは特別で重要な存在だ。ここが崩れると、チームも一気に崩れる。だから、起用には慎重に慎重を期す必要がある。ストッパーをシーズンの最後までいかに力を発揮させるか、が監督の重要な仕事でもある。