「誰もが東京五輪目指すわけでは」 瀬古氏に反論した理由
川内といえば、レースのたびに倒れ込むようにゴールする姿が印象的だが、それは一つ一つのレースに全力投球している証しでもある。
「私としては『ロンドンをステップに東京へ』というのがすごく嫌なんです。東京五輪が一番大事で、東京のためにはロンドンは『捨て石』にしてもいいみたいな。ロンドンで全てを出し切りたいというアスリートもいるわけであって、誰もが3年後、4年後まで一線級でいられるか分からない。私は偶然にも2011年から7年間トップ級でやってこられたけど、今後、何かあってケガで立ち直れなくなるかもしれないし、3年後なんてどうなるか分からない。いろんな人が、3年計画とか4年計画とか言いますけど、私はせいぜい1~2年計画で、目の前のレースを一つ一つ大事にして、目的意識を持って走りたい。それに、やっぱり日本代表ってそういうものじゃないと思うんです。世界陸上でも五輪でも日本代表は日本代表。選ばれたからには、選ばれなかった人がいっぱいいるので、そんな先のレースを見ている場合じゃなくて、いま目の前にある世界陸上を見ろよと思っているので、正直あんまり『東京、東京』って言われたくないんです」