「誰もが東京五輪目指すわけでは」 瀬古氏に反論した理由
東京五輪がすべてという風潮には、こんなリスクもあると指摘する。
「東京が終わったら、多くの選手が燃え尽き症候群になっちゃうんじゃないかというのがすごく心配。特に、ギリギリでやっている選手のモチベーションがなくなって、一斉に引退してしまうかもしれない。私は東京の先も全然やるし、東京だけがモチベーションじゃないので、自分が弱くなるまではいつまでもやるつもりなのでまったく問題ないんですけど、日本のマラソンが今まで以上に弱くなるんじゃないかと思って。2021年も世界陸上(米国)がありますから、それがすごく心配なんですよ」
川内はそう言って表情を曇らせた。
▽かわうち・ゆうき 1987年、埼玉県出身。春日部東高から学習院大に進学し、07、09年に関東学連選抜として箱根駅伝に出場。大学卒業後は実業団に入らず、当時陸上部のなかった埼玉県庁に入る。職員としてフルタイムで働きながら「市民ランナー」として全国のマラソン大会に参加。五輪出場はなし。3人兄弟の長男で、次男と三男、母も市民ランナーとして活動中。172センチ、59キロ。