近藤離脱でスクランブルか 低迷ハム“大谷頼み”が唯一の道
■同じ轍を踏めば誰が責任を取るのか
一軍合流が前倒しになった理由の一つは、時間の余裕だ。20、21日の2日間、日ハムは本拠地札幌ドームで練習を行った。かねて二軍で調整する大谷を気にしていた栗山監督にとって、じかに回復具合をチェックできる絶好の機会。だからこそ、わざわざ大谷を二軍施設のある鎌ケ谷から呼んだのだ。
しかし、それならば状態を把握した上で、再び二軍に戻せばいいだけの話。栗山監督が大谷の復帰を急ぐ最大の理由は、4割打者、近藤の長期離脱だという。
「右太ももの張りで二軍調整を行っていた近藤の椎間板ヘルニアが明らかになった。近藤はもともと腰痛持ちなので、首脳陣も事前に長期離脱を予測していたようです。それで大谷を急きょ、合流させた。ただでさえ、日ハムはリーグ5位のチーム打率.243。得点圏打率が5割近い近藤が長期にわたって抜ければ、さらに苦しくなる。是が非でも大谷の力が必要という考えでしょう」(前出のOB)
昨22日は休養日だったとはいえ、大谷は「足首も含めて、ベストな状態には持っていけないと思うけど、できる範囲でやる」と、万全でないのは明らか。それでもいざ試合となれば、全力でプレーするのは選手の本能だ。
復帰をせかして春先と同じ轍を踏めば、一体誰が責任を取るのか。メジャー挑戦どころか、大谷の選手生命そのものに影響しかねない。