全英12位好発進も 松山英樹に「スロープレー罰」という敵
■犠牲になるのはアジアの選手
初日好位置につけた松山だが、残り3日間で十分に注意したいのがスロープレーによるペナルティーだ。
松山は国内ツアーの頃からプレーが遅く、米ツアーに参戦しても選手間ではスロープレーが話題になることがあるという。実際、13年の全英オープン3日目には、15番の16メートルのバーディーパットに1分12秒を要して警告を受けると、17番の第2打も2分12秒もかかったと言われ、2度目の警告で1罰打をくらった。さらに、6月の全米オープン最終日も、15番の第3打が遅いと警告を受けている。
近年は「ゴルフは時間がかかり過ぎる」と敬遠され、世界規模でゴルファー人口が激減している。ゴルフルールを統括する英国のR&Aと全米ゴルフ協会(USGA)は危機感を抱き、「ファストプレー」を推奨。スロープレーの撲滅に力を入れている。世界中のゴルフファンが注目するメジャー大会で、知名度のある選手にスロープレーの警告や罰を科せば格好のアピールになるのだ。
しかし、スロープレーに関しては曖昧な点もあり、欧米のトッププロが罰を科せられたケースはほとんどない。「啓蒙活動」の犠牲になるのはアジアの選手で、13年に大学生プロとして全英に初出場した松山は、ペナルティーを受けた3日目は優勝圏内にいた。やはり同年のマスターズでスロープレーの罰を科せられた中国の関天朗も、大会史上最年少の14歳で話題の選手だった。