バド日本代表監督が独白 弱小国から世界トップになるまで
■代表合宿をやると所属チームから苦情が
そもそも、私が来る前は合宿がなかったんです。所属チームで練習して、大会前に空港で集合して、終われば解散。みんなで練習する環境がないなんて理解できなかった。合宿に行かないで何のアドバイスができるかと。
08年北京五輪前の世界選手権でベスト8以内に入る選手が増えてきて、JOC(日本オリンピック委員会)も少しずつ力を入れようという雰囲気になってきた。結果が出て、選手はモチベーションも上がって楽しかったと思う。逆に、所属チームからのコンプレイン(苦情)が多かったです。チームの監督は「私の選手だ」といってコントロールしてくるので、合宿の時期を伝えても「なんでこんなに早いのか」と言われたり、たとえば、潮田(玲子)が女子ダブルスとミックスダブルスの2つにエントリーすると、(当時所属していた三洋電機から)「なぜ2種目も?」と。ナショナル監督の決定に、所属チームがダメと反対する。これにはショックでした。
リオ前の1月に3週間、沖縄で砂浜キャンプをしたとき、厳しいフィジカルトレーニングで山口茜がケガをしたときも、チーム(再春館製薬所)の前の監督から、もう言葉でボンボンボンと(攻撃された)。「なぜこのタイミングで合宿したんですか。なぜ砂浜トレーニングなんですか」と。でも、チームのリクエストを全部聞いていたら、ナショナルでは動けません。4~5年間はチームのコンプレインにかなりファイティングしました。