伊調は引退危機 パワハラ告発された名将・栄和人氏の正体
女子レスリング指導の第一人者としての功績は高く評価されているものの、一部関係者からはこんな声も聞かれる。
「至学館大監督でもある栄本部長は、教え子へのえこひいきもある。代表選考で私情を挟むこともあり、16年リオ五輪75キロ級の人選では、至学館大OGの渡利璃穏が3月のアジア選手権で優勝したため、その前に代表入りがほぼ内定していたライバル大学の選手とスパーリングさせた。結局、そのスパーリングに勝った渡利を代表に選んだが、教え子をリオに出場させたいとの思惑が見え隠れしていた」(レスリング関係者)
13年から現職を務める栄本部長のもと、16年リオ五輪では男女合わせて計7個のメダルを獲得。昨年の世界選手権では、女子とは対照的に低迷していた男子が健闘した。フリースタイル57キロ級で高橋侑希(24)が日本勢としては36年ぶりの優勝、グレコローマン59キロ級では文田健一郎(22)が同様に34年ぶりの頂点に立った。
女子でも故障で長らく欠場していたリオ大会48キロ級金メダルの登坂絵莉(24)に代わって須崎優衣(18)が同階級を制するなど、東京五輪でのメダル量産に向けて、日本のお家芸が完全復活の兆しを見せている。