不可解な判定に非難の声も サッカーに「VAR」必要なのか
翌26日のナイジェリア―アルゼンチン戦でも不可解な判定があった。
後半10分、ナイジェリアのクロスにアルゼンチンのDFロホがヘディングをした際、ボールが明らかに腕に当たった。VARの映像でもハッキリと捉えていたが、主審は「故意のハンドではない」とジャッジしたのだ。ナイジェリアのMFミケルは試合後、なぜハンドではないのかと主審に詰め寄り、「審判は腕に当たったことは『イエス』と答えたが、『なぜPKでないのか』という問いには『分からない』と言った」と明かした。
さらには試合中に流血していたアルゼンチンDFマスケラーノもそのままプレーさせた。ルール上、ピッチを出て、止血しなければいけないのにもかかわらずだ。
25日のスペイン―モロッコ戦でも、スペイン有利と思わせる判定があった。
「VARが導入されても、審判はこれを無視することができ、結果的には審判の判断に委ねられる。審判は、一方のチームに厳しいジャッジを下した後、もう一方のチームにいわゆる『お返し』をするなどして、試合の中でバランスを取ることもあります」
とは、前出の平野氏。
公平性を期すために導入しながら、バランスにも配慮することでより不可解さが際立っているとしたら皮肉だ。人気国を勝たせるために、VARを悪用しているのではないか、との声が出るのも仕方がない。