対左腕の打率.118 打者・大谷翔平に「一刀流」のハードル
ア・リーグのあるスカウトがこう言った。
「打者のフライボール革命に対して、最も有効な球種とされたのは球速の遅いカーブでしたが、打者も次第に対策を練るようになった。いま新たに見直されているのは、打者の手元で鋭く曲がるスライダーです。投手と打者のイタチごっこは今シーズンに入っても続いていて、打者の成績が昨年より落ちているのは、現在は投手が優位に立っているからでしょう。大谷が開幕当初に比べて成績を落としているのは、投手の逆襲が影響しているのですよ」
例えば、ドジャースが大谷に対して、二、三塁間を遊撃手ひとりで守る極端なシフトを敷くようになったのも、投手の配球とリンクしているに違いない。
大谷はバントを試みたり、塁に出れば盗塁をしたり、打つこと以外の部分でも目の色を変えているものの、打者一本であるがゆえの壁を果たして打ち破れるのかどうか――。